退職のときに渡す菓子折りって、どんなものを用意したらいいか、どこまで渡すべきか悩みますよね。大きな施設で働いていると特に悩んでしまいます。
今回は、一般企業とはすこし違った介護業界の退職時のお菓子事情について、経験談をまじえてお話していきます。
どんな菓子折りを用意したらいいか悩んでいる介護士さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
退職時の菓子折りの選び方の4つのポイント
一般的な菓子折りの予算相場は3000円~5000円といわれていますが、介護業界の場合、どこかで割り切らないと一般的な相場よりは高くなりがちです。
菓子折りは、「渡さなきゃ」と考えるより「渡したいな」という気持ちで考えましょう。義務感になりがちな菓子折りを感謝の気持ちとして渡すことが大事です。
菓子折りの選び方のポイントは、4つです。
- 渡したい人数分入っている詰め合わせのもの
- 日持ちするもの
- 個装されているもの
- 缶箱でなく紙箱のもの
意外とポイントなのが、「缶箱でなく紙箱のもの」です。
かわいくておしゃれな缶箱はもらった時はうれしいのですが、使い道がないと、処分にすこし困ってしまいます。中身がなくなってもすぐには処分できず、空箱がそのまま置かれている、なんてこともしばしば…。少なくともわたしがすぐに処分できないのは、退職者を名残惜しむ気持ちがあるからです。「なにか使い道はないかな」なんて考えてすぐには捨てられません…かわいい缶箱だととくにです。
職場で渡す菓子折りは、紙箱のほうが良いかもしれません。
コスパの良い菓子折りを選ぼう
介護施設では多くの職種とかかわって仕事をするので、施設内のほとんどの職員が「お世話になった人」になります。あいさつ回りもたいへんです。
わたしは前職の大きな施設を辞めるときに、菓子折りをどこまで用意するか悩みました。自分のユニットと配属部署、リハビリ職、事務所、併設事業所…とお世話になった人たちがとても多かったからです。
あいさつ回りの範囲が広くなりそうな場合は、コスパの良い菓子折りを選んで、お世話になった人たちに感謝の気持ちを届けましょう。
のしではなく一言メッセージを添える
基本的にのしは必要ありません。
丁寧にのしをと考える人もいるかもしれませんが、あまりかしこまってしまうと周りが気を遣ってしまいます。実際、退職者が用意する菓子折りにのしがついていたことはどの職場でもありません。
のしの代わりに、一言メッセージを添えると良いでしょう。
どこまで渡す?
菓子折りのほかにも、「とくにお世話になった人へ個人的な贈り物を」と考えている人は、想像以上に予算が膨らむと思います。
予算を考えずに用意できたら良いのですが、ざんねんながらそんな余裕はわたしにはありませんでした。でもすこしでも感謝の気持ちは届けたい…!そんな、わたしのような人こそ、はじめにリストアップをしてから大枠の予算は決めておきましょう。
わたしは、施設には詰め合わせの菓子折りを用意して、それとは別に、自分のいたユニットには菓子折りと、とくにお世話になった人たちにちょっとした贈り物をしました。
どこまで配るのかは、立場や勤務年数など人によって変わりますが、退職していく人に共通していたのは以下のとおりです。
- 全ユニット・フロア(介護職全員へ渡せる個数を用意)
- 事務所
わたしの前職は、複数の事業所が入っている施設でしたが、併設事業所へはあいさつだけの人が多かったです。
ユニットがいくつあるかなど施設の規模にもよりますが、大きな施設でもみんなが集まる休憩室が一か所だったら、休憩室に配ると良いです。前職は10ユニットあったところだったので、2室あった休憩室ごとに用意しました。
ユニットが多いと、ユニットごとに用意するのは持っていくのもたいへんです。みんなが集まるステーションや休憩室という単位で考えると良いですよ。
渡すタイミングは最終日
基本的には、最終出勤日に配りましょう。出勤してすぐではなく、勤務後や休憩時間など迷惑がかからないタイミングが良いです。
終礼などで、あいさつをする時間があるときは、あいさつの後に渡すとスムーズです。大人数の職場では、上司に渡して上司からみんなに配ってもらうことが多いです。ユニットに配るときは直接手渡ししたいところですが、忙しいとそうもいかないので、菓子折りに添えるメッセージも準備しておくと良いです。
不在で最後のあいさつができなかった人には、一言メッセージをレターボックスに入れておくと気持ちが伝わります。受け取った側は、”退職でいそがしいときにわざわざ書いてくれたんだなぁ”とあなたの心遣いにグッとくるでしょう。
紙袋からは出して渡そう
上司に渡すとき、紙袋に入れたまま渡すのはマナー的には良くないです。紙袋には、ホコリよけの意味合いがあるそうです。礼儀やマナーを見ている上司は意外といるので、菓子折りは紙袋から出して渡しましょう。
渡したあと、持ち運びに紙袋があったほうが良さそうな場合は、「袋ごと失礼いたします」と一言添えると良いです。
施設に渡す菓子折りの場合は、紙袋から出して渡すと考えて良いでしょう。
「つまらないものですが…」は言わないほうが無難
菓子折りを渡すときの「つまらないものですが…」という言葉は、最近では、「失礼だ」と受けとる人もいるので使わないほうが無難です。
もともとは、「わたしは精一杯えらんだ物ですが、立派なあなたを前にするとつまらないものに見えてしまう」という謙遜した言葉だそうです。大半の人は謙遜して言っているとわかってくれますが、「つまらないものを選んだのか」と文字通りの意味として受け取るめんどうな人もいるので、ほかの言葉に言い換えると良いです。
「つまらないものですが」を言い換えると、以下のようなフレーズがあります。
- 「ほんの気持ちですが」
- 「心ばかりではありますが」
- 「ささやかではありますが」
- 「お口に合うと良いのですが」
- 「お好きだと伺ったので」
いろいろな言い方があるので、スラっと言えるようにぜひ覚えておきたいですね。
菓子折りは渡す人が多いけど渡さないという選択もあり
菓子折りを渡さなくてはならないという常識やルールはないので、渡さなくても良いです。あいさつで気持ちは伝えられますしね。
菓子折りがなくても、丁寧に書かれたメッセージが申し送りノートに残されていたら、それだけで気持ちは十分伝わります。極端にいうと、そっけないあいさつとともに渡される菓子折りより、手書きメッセージの方が気持ちは伝わることもあります。
とはいえ、退職時に菓子折りを用意する介護士さんは多いです。
”いじめられた”とか”お世話になった人なんていない”と思うような職場でないなら、お世話になった感謝の気持ちといっしょに菓子折りを届けましょう。
働いた期間が短い・派遣社員だった場合
3ヵ月だけ働いた施設を辞めるときに、菓子折りを用意すべきかすこし悩みました。(正直、長く働いた施設とくらべて、思い入れが少なかったという気持ちもあります…)
菓子折りを用意すべきか悩んだら、二択で割り切りましょう。
- あいさつだけする
- コスパの良い菓子折りを渡す
わたしは、コスパの良い、自分が貰ったらうれしいと思う菓子折りを用意しました。
こんなときは菓子折りは用意しないでもOK
あいさつで気持ちを伝えるだけでも十分だと思うときもあります。以下のとおりです。
- 働いた期間が3ヵ月未満だった
- バイト・派遣社員だった
- 嫌がらせを受けていた
- お世話になったと思える人がひとりもいない
- その職場に退職者が渡す慣習がない
働いた期間が短かかったり、派遣社員だった場合は、菓子折りまでは用意しない人が多い印象です。
人間関係が悪かった…。こんなときは、割り切って、渡さないという選択もありだと思います。
菓子折りは気持ちです。菓子折りがないからといって非常識だなんてことはないですし、後ろめたさを感じることもありません。
嫌がらせを受けていたり、人間関係がわるかった職場で菓子折りはどうすべきか悩んでいるなら、渡さなくても良いと思います。繰り返しになりますが、菓子折りは気持ちだからです。嫌な人は、菓子折りを渡したとしてもなにかとわるく言いますしね。
渡してもいやな気持ちにさせられるのが想像できるくらいなら、あいさつだけでも十分です。
まとめ
菓子折りは、感謝の気持ちを伝えるには効果的な贈り物です。
自分用としては買わない菓子折りだからこそ、もらったらうれしいものです。
ぜひ、これまでお世話になった職場の人の喜ぶ顔を想像しながら、あなたの選んだ素敵な菓子折りを贈ってみてください。